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医師の収入は働き方によって、大きな差が生まれている

経営コラム

医師の収入は働き方によって、大きな差が生まれている

医師の皆様には周知の事実でございますが、「医師国家資格」は、合格率こそ高いものの、そこに至るまでの過程が非常に厳しいものです。大学の医学部で6年間学ばなければなりませんし、医師国家試験を突破してからも2年の臨床研修医時代を経なければ医師になることはできません。
この「大変さ」は、実際に医師として働いている人ならばだれもが味わっているものでしょう。

このような大変さを経て初めて就ける医師という職業は、ほかの職業に比べて高い収入を得られることで知られています。医師になる一つの動機づけとしても、高収入であるという点は揺るぎないでしょう。

しかしながら、その収入の実態としては、働き方によっても大きく異なるものです。
今回は、今後のキャリアに活かしていただけるように、働き方の違いによってどれぐらいの収入に違いがあるかを紹介いたします。

■ 医師の平均給与は1,200万円程度

職業別に見たとき、医師は「もっとも給与が高い職業」だといえます。 厚生労働省が出した「賃金構造基本統計調査/令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」においては、医師の平均年収(「性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他と区別給与額」)は、1,200万円程度であるとされています。

企業規模や年齢、実績などによって数字は多少異なりますが、このデータでは、「45.5歳の医師で、1000人以上の企業規模のところの医師の年収1,281万2,000円」となっていますから、これがひとつの目安となるでしょう。

国税庁のページでまとめられた資料では、令和2年の正規雇用の平均収入は503万円、非正規雇用に至っては175万円とされています。正規雇用者と比較してさえ2倍以上の、非正規雇用者と比べれば7倍以上の収入です。 このようなデータを見れば、医師の収入が非常に高水準であることがわかります。

出典:
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

出典:
国税庁長官官房企画課「民間給与実態統計調査―調査結果報告-令和2年9月」

■ 勤務医と開業医の差、そして診療科目別の差

ここまでは「医師の収入」について解説してきました。

「医師の収入」について知ろうとするとき、多くのメディアでは上記のような平均年収を取り上げます。 しかし実際には、「どのような形態で働くのか」「どのような科で働くのか」によって、収入は大きく違ってきます。

少し古いデータではありますが、厚生労働省が取りまとめた非常に面白いデータがあるのでみていきましょう。 これは、病院勤務と開業医の給与を比較したものです。 このときの病院勤務医の年収は1,479万円とされていますが、開業医の収支差額(入ってきた金額から、借入金や退職金に充てるための積立を引いたもの)は2,458万円と、およそ1.7倍の収入を確保していることが分かっています。

「収入」の面にフューチャーするのであれば、やはり開業医の方に軍配が上がります。 ただし、開業医の収入を決定する要因は、自身のクリニックの経営状況であり、医院経営への不安要素が開業医を目指す障壁となっている点はいうまでもありません。

出典:
厚生労働省:「勤務医の給料」と「開業医の収支差額」について

「科目別」の収入については、労働政策研究・研修機構のデータが分かりやすいといえます。
このデータではもっとも収入が高いのは「脳神経外科医」となっていて、これが1,480万円です。2位には「産婦人科」の1,466万円が、3位には「外科の1,374万円が入っています。

出典:
The Japan Institute for Laboure Policy and Training「勤務医の就労実体と意識に関する調査」P143

■ まとめ

医師を志す人の多くは、「収入」だけを目的としてその道を歩み始めたわけではありませんが、収入は働くためのモチベーションであり、自身の社会的評価の一つの証になります。

もちろん収入の多寡だけによって働き方を決められるものではございません。しかし、現状のキャリアに不満を持っている方、収入アップや独立開業を目指している方、クリニックの売上を伸ばしたいという方は、様々な選択肢が考えられますので、お気軽に弊社へご相談ください。

存続できる医院にするために

ご自分のクリニックで思いどおりの医療を提供できるようになるのはこの上なく幸せなことだと思います。 独立してからのクリニック運営には細かいところで面倒やリスクがつきものですが、 正しいやり方で運営する限り何も心配することはございません。