クリニックの開院には、多額のお金がかかります。また、資金運用の関係から、たとえ一括で払える貯えがあっても融資を受ける人もいるでしょう。しかし融資を申し込んでも、それが断られる可能性もあります。
ここでは、「なぜ融資を申し込んだときに断られるのか」「融資を断られないためにできること」について解説していきます。
事業計画の甘さが「融資のお断り」を招く
「融資のお断り」がされる理由の多くは、「事業計画の甘さ」にあります。
クリニックに限ったことではなく、ほかの起業全般についていえることですが、金融機関などに融資を申し込んだとき、金融機関はまず申し込んできた人の事業計画を見ます。そしてその事業計画に甘さがあった場合、「融資のお断り」という選択肢を取ります。
クリニックで融資を断られる原因としてよく見られるのは、「高価すぎる医療機器を多数導入しようとしている」「不要と思われるほどに外観・内観デザインにお金をかけようとしている」などです。
このような、「(現在の)身の丈に合わない事業・購入計画である」と判断された場合、金融機関側は、「このクリニックに融資しても、返済が滞る可能性が高い」「安定的な返済が見込めない」と考えて、融資に慎重になります。
クリニック開院!~融資を受けるためにできること
「融資が受けられるかどうか不安だ」「すでに1つめのところに断られた」という場合は、どうすればよいのでしょうか。
これには下記の3つの選択肢があります。
1.複数の金融機関に申し込んでみる
2.事業計画を見直してみる
3.専門家に依頼する
ひとつずつ見ていきましょう。
1.複数の金融機関に申し込んでみる
金融機関の融資の精査の基準や条件は、金融機関ごとに異なります。たとえば、A金融機関では「融資対象にならない」と判断された場合であっても、B銀行では「融資対象となる」と判断されることもあります。このため、融資を受けたいと考えるのであれば、複数の金融機関(3行程度)に相談をした方がよいでしょう。
また、「A金融機関からもB金融機関からも、両方ともから『融資できる』という返事をもらえた」という場合であっても、複数の金融機関に相談しておけば、そのなかからより良い条件のものを選ぶことができます。
ちなみに融資の相談を持ちかけるときには、「B金融機関やC金融機関にも相談しています」と告げても問題ありません。それだけで不利になることはあまりないと考えられています。
2.事業計画を見直してみる
「複数の金融機関に申し込んだが、どの金融機関でも断られた」あるいは「融資対象にはなるが、条件が厳しい」という場合は、やはり事業計画を見直してみることが必要です。
不要不急な医療器具の導入を考えていないか、あまりにも高価すぎる医療機器を買おうとしていないか、獲得できるであろう患者様の数と大きく乖離したクリニックを建てようとしていないか、内装を不要に豪華(輸入家具でそろえるなど)にしていないかなどを見直します。
3.専門家に依頼する
融資を受けようとする場合、金融機関との間で交渉を行うことになります。もちろんすんなり決まることもありますが、場合によっては交渉が難航する可能性もあります。
このような場合は、専門家を入れるとよいでしょう。コンサルタントや税理士などに話をして、間に入ってもらうのです。彼らは交渉事のプロですし、「どのようにすれば融資を取り付けやすいか」を熟知しています。さらに、自分だけではなかなか客観的に見られない事業計画についても、冷静で公正な専門家の視点からアドバイスをくれます。
私たちは、KSメディカルサポートでは、開業における資金調達の問題を解決する開業支援サービスを提供しておりますのでご相談ください。