医師の働き方を考えるうえで、ひとつの選択肢となりうるのが「医院開業」です。しかしこの「医院開業」には、多額の費用がかかりますし、また程度長い準備期間が必要となります。ここでは、費用の問題と合わせて考えたい「医院開業を行うまでに必要な所要時間」について解説していきます。
計画を立ててから医院開業に至るまでの所要時間は、だいたい1年半~2年程度
まず、「そもそも医院開業に至るまでに必要な時間はどれくらいか」の答えから見ていきましょう。
これはもちろん「どんな医院を開くか」「どのような形態にするか」によって異なりますが、おおむね1年半~2年程度だと考えられています。これを短いととらえるか長いととらえるかは人によって異なりますが、「思い立ったらすぐに開業!」というわけにはいかないのは確かです。
たとえば、「すでに開業する場所が決まっている」などの場合はもう少し早くなりますが(それでも半年程度はかかるでしょう)、「今から場所を考える」「まったくゼロの状態から計画書を作る」ということであれば、3年以上の時間がかかることも決して珍しくありません。
また、「医院開業をする」と決めたとしても、その時点で仕事を辞めて開業準備に入る人は少ないでしょう。後で詳しく述べますが、医院開業には多額の費用もかかるため、「半年~1年以上も無職になって、医院開業の手続きに専念する」という選択肢をとることにはリスクもあります。
この場合は、勤務医としての休日や有休を使って開業準備をしていくことになるため、より長い時間がかかります。
資金繰りの話も考慮すれば、専門家に助力してもらうことがおすすめ
医院開業にこぎつけるまでには、乗り越えなければならないハードルがいくつもあります。
上で紹介した「どこの土地で開業するか」を選定して決定するのもそのハードルのうちのひとつですし、「どのような医療機器を入れるか」を考えて決定~業者と契約することも必要です。院内の設計図を描く必要もありますし、スタッフの求人をしたり、開業するための書類を準備したりすることももちろん必要です。
さらにここに、上で紹介した「資金の調達」「資金をどのように使っていくかの設定」を行う工数もプラスされます。医院開業は「どのような科にするか」によってかかる資金が大きく変わります。たとえば比較的開業資金が安い科である精神科・心療内科であっても1500万円程度の資金は必要になりますし、整形外科や内科の場合は3000万円を超えることも珍しくありません。
もちろんこの開業資金は、「一括、現金、即日払いで支払えるように用意しなければならない」というものではありません。多くの人はローンを組んで、少しずつ支払っていくスタイルをとるでしょう。ただ「資金繰りをどうするか」を考えることは非常に重要ですし、そしてそれを考えるときには少なくない時間がかかることも事実です。
医院開業を行うときには、「しなければならないこと」が非常に多くあります。これを、勤務医として仕事をしながら、独力で行うのは著しく困難です。資金繰りの話などは税理士を入れてすら話し合いを何度も行う必要が出てくるのが一般的ですし、それ以外の部分でも専門家の手を借りたくなるシーンはいくつもあります。
このため、医院開業にあたっては、一人の力で行おうとするのではなく、専門家の力を借りて行うのが現実的です。特に、「開業日は〇年の×月▽日にしたい」「1年以内の開業がマストである」などのように、開業する日が決まっている場合は、それを専門家に告げたうえで、できるだけ迅速に無駄なく計画を立てていく必要があるでしょう。
KSメディカルサポート株式会社では、専門家として、医院開業をさまざまな方面からサポートしています。医院開業を見据えているドクターは、ぜひご相談ください。