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知っておきたいハイフのトラブルと、医療機関が選ばれる意味

経営コラム

知っておきたいハイフのトラブルと、医療機関が選ばれる意味

美容外科では、人の「美」を作り出すために、数多くの美容機器を扱うことになります。これらの美容機器は一定の審査を経た後にリリースされるものですが、そのすべてが、「未来永劫、変わることなく、ずっと安全で居続けられる」と約束されているわけではありません。

今回はそんな美容器具のなかから「ハイフ(HIFU)」を取り上げて、それに関する報道などについて紹介していきます。

知っておきたいハイフのトラブルと、医療機関が選ばれる意味

美容外科ではなじみ深い「ハイフ(HIFU)」について

ハイフ(HIFU)とは、超音波を使って人体に働きかけていく機器のうちのひとつです。人の体に火傷を負わすことなく、皮下組織を熱によって引き締めることができるものとして美容業界で注目を集めました。なおここでは主に美容領域の「ハイフ(HIFU)」について取り上げていますが、ハイフ(HIFU)自体は美容医療だけでなく、前立腺がんの治療などにも使われています。

この「ハイフ(HIFU)」が、2023年になって注目を浴びるようになりました。2023年の9月にはX(旧ツイッター)の一部のトレンドに入るなどして、多くの人の耳目を集めるようになりました。

ただこれは、望ましい注目のされ方ではありませんでした。ハイフ(HIFU)を使用したことによる「被害」に注目が集まったのです。

美容サロンでのハイフ(HIFU)の使用に消費者安全調査委員会が警告を出す

ハイフ(HIFU)は、基本的には医療機関でのみ利用されるべきものです。しかし実際には、美容サロンなどでも使われてきたという事実があります。2015年には知名度の高いエステティック団体などは自主的にこのハイフ(HIFU)の使用を禁じましたが、それでも、いくつかの美容サロンは依然としてこのハイフ(HIFU)を使い続けていきました。

しかし美容サロンでハイフ(HIFU)の施術を希望した人が、顔の神経に障害を負ったり、火傷を負ったりするという事態が報告され始めたのです。 その事故件数は、多少の増減はあるものの基本的には右肩上がりであり、2022年には36件の事故が報告されたとされています。そのなかでもっとも多いのは、やはり「美容エステサロンでの施術」でした。

これは、「美容サロンの運営には資格は必要ない」というところに繋がっていると専門家は指摘します。美容クリニックの場合は、看護師や医師などの国家資格を取得した者が施術にあたるため、使用してよい部位や強さを医学的に考慮したうえで照射していきます。 しかし美容サロンでの施術には、このような専門的な知識と確かな技術を求めることはできません。

知っておきたいハイフのトラブルと、医療機関が選ばれる意味

美容クリニックは「安全な施術」を行えるとPRもできるが……

上記のようなことを踏まえれば、「無資格者が施術にあたる美容サロンとは異なり、有資格者が施術にあたる美容クリニックはよりしっかりしたハイフ(HIFU)施術ができる」と打ち出すことができそうです。 実際に消費者安全調査委員会も、「ハイフ(HIFU)の施術者は医師などのみとするべきである」として報告書を挙げています。

言い方を変えるのであれば、美容クリニックとしてハイフ(HIFU)を取り扱う以上、今まで以上に慎重な施術・確かな施術をお客様から求められるケースが多い、ということです。安価な美容サロンでのハイフ(HIFU)施術に疑念を抱いて美容クリニックの門を叩くお客様の気持ちに、美容クリニックはしっかり寄り添う必要があります。

また、美容クリニックでハイフ(HIFU)を取り扱う場合も、顔面の神経の通り道などの「人体」について深い理解を持つことはもちろん、ハイフ(HIFU)という機械自体に対してしっかり学ぶ姿勢が求められます。

医療の技術・機械は日々進歩しており、その医療の技術・機械が美容医療の分野にも多く応用されるようになりました。しかしこれらは一歩間違えれば大きな事故に繋がりかねないものであるということも、医療従事者はよく認識しておかなければならないでしょう。

美容医療にも詳しい弊社であれば、適切なご助言・サポートをさせていただきますので、お気軽にご相談をいただければと存じます。

存続できる医院にするために

ご自分のクリニックで思いどおりの医療を提供できるようになるのはこの上なく幸せなことだと思います。 独立してからのクリニック運営には細かいところで面倒やリスクがつきものですが、 正しいやり方で運営する限り何も心配することはございません。